会場紹介
利賀
1976年に、世界的に活躍する演出家・鈴木忠志が率いる劇団SCOT(Suzuki Company of Toga、旧名・早稲田小劇場)が本拠点を東京から利賀村に移し、合掌造りの民家を劇場に改造して「利賀山房」と名付け、演劇活動を始めました。1982年には、ギリシア風の野外劇場(磯崎新設計)を新設、日本で初めての世界演劇祭「利賀フェスティバル」を開催しました。
現在では、6つの劇場、稽古場、宿舎等を擁する世界に類をみない舞台芸術施設群となっています。雄大な自然の中、伝統文化が息づく創造環境を生かし、演劇を通じ、世界の人たちと交流し、多くの人材を輩出している国際化した“場”です。世界の演劇人から「演劇の聖地」とも呼ばれています。
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古い合掌造りを劇場に改造し、新たに入口にはエントランス・ルームとしてのホール棟が増築された。エントランスは、三面ガラス張り、大階段を擁した「明」の空間である。劇場内部は、日本の能舞台の形式に近いが、構造材はすべて黒く、全体に「闇」の雰囲気がある。
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合掌造りでは日本最大の規模。
利賀山房と同じ構造の舞台であるが、舞台と客席は利賀山房より広い。劇場の内壁は割り肌のレンガでつくられており、近代的な様相ももっている。また、天井も高く、大劇場の雰囲気をもつ。 -
第1回世界演劇祭のために建設された劇場。古代ギリシアに原型を求めた本格的な野外劇場である。舞台の背景には、池や山があり、舞台照明や花火でそれらが浮かび上がると、観客が宇宙的なスケールの空間に座しているような印象をもつ劇場。
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劇場や稽古場、会議室、宿泊施設をもつ総合的な文化施設。芸術劇場は、床、壁、天井が新利賀山房や利賀山房と同様に黒一色で統一されているが、コンクリート造りのブラックボックス・スタイルの劇場である。あらゆる方向から舞台構築が可能な、自由度の高い空間となっている。
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公園内の広場の一角に造られた野外小劇場。利賀の大自然と新利賀山房を背景にして、広場全体が劇場空間として機能するような場所に位置している。舞台を取り囲むように配置された巨大な岩石が、舞台照明で美しく浮かび上がる空間。
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利賀村の旧体育館を改造し、“利賀大山房”の名で現代的な大劇場空間として誕生させた。内部は太い鉄骨によって構成され、舞台は広く奥行きもある劇場空間になっている。専門的な照明、音響の設備もある。
黒部
セレネとは、ギリシア神話に登場する美しい月の女神の名前です。宇奈月温泉の「月」と、丸みを帯びた建物の優雅なイメージから名付けられました。
大ホール、小ホール、中小6つの会議室を備え、あらゆる用途に対応する本格的な国際会議場。併設された美術館の平山郁夫、塩出英雄といった著名な日本画家による作品は、自然の美しさや自然と人間の共生を描いています。
演劇やコンサートはもちろん大規模な会議や式典、シンポジウム、講演会などの開催が可能な多機能空間。映像、音響、照明システム等の設備はもちろんのこと、6カ国語同時通訳システムも備えている。すべてが曲線で構成された大ホールは、柔らかな雰囲気を醸し出している。
建築家・槇文彦が設計し、1982年に建てられたYKKのゲストハウス「前沢ガーデンハウス」や円形の客席でステージを囲む緑の中の野外劇場「前沢ガーデン 野外ステージ(YKK)」などを有しており、国際交流や地域社会の活性化を目的に整備されました。
前沢ガーデンの敷地内にある開放感あふれた野外劇場。広々とした緑の芝と木々を背景としたステージを円形の客席が囲む。